率直無比な人物描写。デヴィッド・シムズが撮影したロエベの最新グローバルキャンペーンは、大胆で、粗削りで、還元主義的です。プロップスや装飾は排除され、そのきわめて写真的なまなざしの焦点は被写体、そして自分が何者であるか、あるいはどう見られることを望むかを代弁するものとしての「服装」に向けられています。
俳優のダニエル・クレイグとロエベのグローバル ブランド アンバサダーを務めるグレタ・リーが、白い背景を背に、挑戦的な眼差しを向けています。
クレイグはさまざまな人物像をコラージュしてみせ、コレクションの着想源となったリチャード・ホーキンスの作品を現実化させています。
ニット、カーゴパンツ、レザーブルゾン、ブーツ、トレーナー、そして刺繍パンツなど、アメリカ性を屈折させたコレクションのキーアイテムをまとった彼は、強さを見せつけ、挑むような態度でカメラに対峙します。
かたや白いスツールに座り、直立し、床に横臥するグレタ・リー。髪は整えず、ノーメイクで、まるで撮影現場に現れたばかりのようです。彼女の存在はどこか謎めいており、その自然な姿が、彼女が着こなすアイテムのゆったりとしたボリュームや、構造と流動性の間を漂うような緊張感を際立たせています。
彼女の素のままの美しさは、着用する男性的なテーラリングと調和し、明瞭な照明がボタニカル柄やトロンプルイユ柄をまるで生きているかのように照らし出します。
人物描写の率直な手法は、静物写真でも踏襲されています。刺繍が施されたスクイーズバッグ、柔らかなナパレザーのフラメンコパース、そしてカンポ バイカーブーツはまるでカタログ写真のように真上から撮影されています。それぞれのアイテムはデヴィッド・シムズのカラープリントの上に置かれ、まわりの石や植物などが謎めいた雰囲気を深めています。
一方、ダニエル・クレイグの演じた浴室で撮影されたメンズのアクセサリーは、彼の表現した人物像に多面性をもたらしています。洗面台の中には鮮やかなグリーンのパズルトート、ドアの裏側にはバスローブと一緒にペブルバケット バッグが。床にはXLサイズのスクイーズバッグが置かれ、グラスの中にはグルーブ ラウンド サングラスが収められています。
本キャンペーンは、大胆で直截な表現を通じて人物像と服装の密接な関係を探求しています。 ロエベ FW24キャンペーンに関する詳細は、https://www.loewe.comでご覧いただけます。
ダニエル・クレイグ
イギリス出身のダニエル・クレイグは、舞台、映画、テレビでその世代の第一線で活躍する名俳優の一人です。2021年にはジェームズ・ボンド役として5回目であり最後の作品となった《007 /ノー・タイム・トゥ・ダイ》に出演。またライアン・ジョンソン監督の《ナイブズ・アウト》シリーズ第1弾である《名探偵と刃の館の秘密》(2019年)や第二弾の《グラス・オニオン》(2022年)での演技が高く評価され、ゴールデングローブ賞にノミネートされました。今年、彼は同シリーズ第3弾でブノワ・ブラン役の再演に取り組みます。また、ルカ・グァダニーノ監督によるウィリアム・S・バロウズの同名小説を映画化した《Queer(原題)》への出演も決定しています。
グレタ・リー
韓国系アメリカ人俳優のグレタ・リーは、セリーヌ・ソン監督による2023年の映画《パスト ライブス/再会》で主演を務め、その演技が高く評価されました。リーは、この映画でゴッサム賞を受賞し、放送映画批評家協会賞とゴールデングローブ賞にもノミネートされました。最近では、全米映画俳優組合賞にもノミネートされたシリーズ《ザ・モーニングショー》のシーズン3でステラ・バク役を再び演じ、ジェニファー・アニストンやリース・ウィザースプーンと共演しています。最近撮影を終えたという、ジャレッド・レトとエヴァン・ピーターズと共演する映画《トロン:アレス》は2025年10月に公開予定です。