服制作とデニムデザインの常識を覆す
デザイナーのウォルター・ヴァン・ベイレンドンク(Walter Van Beirendonck)が、パリファッションウィークで2025年春夏シーズンコレクションを発表しました。
ショーでは自身のコレクションと合わせ、G-STARとコラボしたカプセルコレクションも一部お披露目されました。サンジェルマンのパリ第五大学薬学部(Faculte de Pharmacie de Paris)の植物園を貸し切り、イノベーションがコンセプトの核心にある今回のコラボレーションを象徴する、実験的スタイルのデニムピースが公開されました。ユニセックスの本カプセルコレクションは、2025年2月に世界各地の限定店舗で販売予定です。
Denim with Balls
ウォルター・ヴァン・ベイレンドンクは、その伝説的なクラフツマンシップとG-STARが持つデニムの専門性を組み合わせ、革新的なカプセルコレクションを完成させました。その名も「Denim with Ball」(ボールのあるデニム)。常軌を逸するアバンギャルドなデザイナーとして知られるウォルターは、今回のコラボレーションにおける一切を一任され、実験的な姿勢でデニムに向き合い、従来とは異なる服制作に挑みました。本プロジェクトで彼は、縫製を最小限に制限し、通常あまり使用されることのない糊付けやテーピングといった手法にフォーカスを置きました。計19点の限定版コレクションには、エンボス加工された点描デザインやテープ貼りのシーム、誇張されたディテールなどが目を惹くスクエア・ジーンズ、ウェーダー・ジーンズ、エンボスド・パムフレット・ジーンズ、フューチャー・プルーフ・ジャケットなど、大胆なスタイルが揃います。すべてのデニムピースには、サステナブルの観点から、「クレイドル・トゥ・クレイドル(Cradle to Cradle)」認証を受けたファブリックが使用されています。また、「フューチャー・プルーフ(時間の経過をものともしない)」、「ワオ(驚き)」、そして「ステッチレス(縫製なし)」という彼のスローガンに基づき、立体編みのトップスやセーターもコレクションの一部に含まれています。コレクション全体を通して散見されるエンボス加工の点描デザインには、遊び心のある「Denim with Ball」のコンセプトが如実に表現されています。
「従来とは異なる手法に挑み、新たな形を想像し直すことを目指しました。他に可能性を模索できる技術が数多くあるのにも関わらず、なぜいまだに衣服を縫製しているのか?という観点から、イノベーション、研究、そしてファッションの新たな基準への挑戦が、本プロジェクトの根底にあります。G-STARが創作面での自由を完全に許してくれたことを大変ありがたく思っています。」 ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク
「ウォルター・ヴァン・ベイレンドンクは、現代ファッションデザイナーの中でも特に重要な立ち位置を確立している一人です。私たちは彼が持つ独特なビジョン、遊び心、極めてクリエイティブなマインドに惹かれ、彼とのコラボレーションを決めました。“Denim with Balls”は、既存の常識の域を超え、デニムの可能性を再定義するという、私たちに共通するビジョンを裏付ける内容となっています。」 -G-STAR CMO グウェンダ・ファン・フリート(Gwenda van Vliet)
アントワープのアバンギャルド
ウォルター・ヴァン・ベイレンドンクは、社会的な基準に制限されず、ファッションの限界に挑戦する、アバンギャルドで遊び心に富んだデザインで知られています。ベルギー出身の彼は、デザイナーとしてデビューして以来、その型破りなアプローチでファッション界を魅了してきました。アントワープの6人こと、「アントワープ・シックス」の一人としても知られています。
ウォルター・ヴァン・ベイレンドンクが創るデザインは、鮮やかな色使い、グラフィックプリント、そして型にはまらないユニークなシルエットが特徴的で、ユーモアや社会的なコメンタリーの要素が組み込まれることも少なくありません。これまで展示会のキュレーターをはじめ、バレエやオペラの衣装デザインや、IKEAのホームウェアコレクションのデザインを手掛けてきた彼は、常にファッション、アート、カルチャーがクロスする交点を模索しています。彼はこれまで、U2などのミュージシャンや、エルヴィン・ヴルム(Erwin Wurm)、マーティン・バース(Maarten Baas)、マーク・ニューソン(Marc Newson)、川久保玲、ユルゲン・テラー(Juergen Teller)、ジャン・バプティスト・モンディーノ(Jean-Baptiste Mondino)、オーラン(Orlan)といった有名なクリエイティブアーティストたちともタッグを組んできました。
フラマン人デザイナーとして、彼は自身のレーベルを運営する傍ら、2022年までアントワープ王立芸術アカデミーのファッション学科長も務めていました。指導者として、ラフ・シモンズ(Raf Simons)、デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)、クレイグ・グリーン(Craig Green)、ベルンハルト・ウィルヘルム(Bernard Willhelm)、クリス・ヴァン・アッシュ(Kris Van Assche)、ヴェロニク・ブランキーノ(Veronique Branquinho)、ルシェミー・ボッター(Rushemy Botter)など、数多くの優秀なデザイナーたちを輩出しています。
G-STARとウォルター・ヴァン・ベイレンドンクがコラボレーションを組んだカプセルコレクションは、2025年2月に限定のリテール店舗でリリース予定です。
G-STAR
1989年の創業以来、G-STARはデニムを常に新たな視点で考えてきました。「デニムはただの素材ではなく、アートである」―その視点から生まれた「Art of Denim」の理念のもと、G-STARは絶え間なくデニムの限界を押し広げ、新たなデニムのあり方を追求しています。それはクラフツマンシップやデニムへのアプローチを常に刺激し、進化させ、そこに関わる一人ひとりがアーティストの如く考え、創造性と独自性、偽りのない本物を追求する姿勢を促しているということなのです。芸術と文化の境地に足を踏み入れることで、G-STARはファッションの域を超え、デニム界において無限の可能性に挑戦し続ける独自の立ち位置を確立しています。G-STARが独自の地位を築いたデニムの世界に、限界はありません。デニムは人と地球をリスペクトし、前進していくための力となるのです。G-STARは長年、カーラ・デルヴィーニュ、スヌープ・ドッグ、ファレル・ウィリアムズ、マーク・ニューソン、スティーヴン・ジョーンズ、アリゾナ・ミューズといった、真に独創的で型にハマらない「トゥルー・オリジナルズ」たちとタイアップしてきました。G-STARはアメリカ、ヨーロッパ、日本、南アフリカを主要市場として、グローバルに展開するプレミアムデニムブランドです。
Walter Van Beirendonck
ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク(Walter Van Beirendonck)(1957年ベルギー生まれ)は、ファッション界のイノベーションを先駆けてきたパイオニアです。彼のアバンギャルドで遊び心の詰まったデザインは常に賛否両論を呼び、世の中の常識に対し挑戦をしてきました。1980年にアントワープ王立芸術アカデミーを卒業した彼は、現代ファッション界を再定義した伝説的なファッションリーダー集団として知られる「アントワープ・シックス」の6人のうちの一人です。IKEAおよびエルヴィン・ヴルム(Erwin Wurm)やマーティン・バース(Maarten Baas)といったアーティストたちともタイアップしており、ファッション、アート、カルチャーの域を超えて活躍しています。デザイナーとしてのキャリアを通して、彼は完全な創作の自由を追求し続け、2000年に新たな形で自身のファッションレーベルをスタートさせました。自身のブランドを手掛ける一方で、80年代から母校のアントワープ王立芸術アカデミーで指導者としても活躍し、ヴェロニク・ブランキーノ(Veronique Branquinho)、A. F. ヴォンデヴォースト(A.F. Vandevorst)、ベルンハルト・ウィルヘルム(Bernard Willhelm)、クリス・ヴァン・アッシュ(Kris Van Assche)、デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)といった有名デザイナーたちの輩出に寄与しています。